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すみれ
著者: 北條民雄
朗読: 竹原てん
総朗読時間:11分06秒
北條民雄による短編小説
昼でも暗いような深い山奥で、音吉じいさんは暮して居りました。三年ばかり前に、おばあさんが亡くなったので、じいさんはたった一人ぼっちでした。じいさんには今年二十になる息子が、一人ありますけれども、遠く離れた町へ働きに出て居りますので、時々手紙の便りがあるくらいなもので、顔を見ることも出来ません。じいさんはほんとうに侘しいその日その日を送って居りました。
※本作品中には、今日からすると不適切な表現が見られますが、作品の時代背景と著者の意図を尊重し、そのままの形で配信いたします。
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目次
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すみれ
朗読時間:11分06秒
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朗読者情報
- 竹原てん
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長いこと声のお仕事をしてきました。
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朗読を学んでから芝居を学び、現在は朗読と芝居が自然に融合した作品を目指しています。
聴く人のイメージをかき立てるような朗読をお届けしたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
レビュー
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耳順です。「おときちじいさん」を北條の父と重ねると「すみれ」は民雄自身であろう。「一人住み」と「すみれ」をかける技法とみれば、庭の隅にすみれの花=(入院している)民雄を見つけるという暗示か?
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素朴な短編小説ですが、私たちが日々を過ごして時を重ねていく上でとても大切なことを伝えてくれる作品です。落ち着いた朗読も作品に合っていて聞きやすかったです。
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スミレという愛おしい花のために、街へ行かないという感情は凄いなと思った。