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二銭銅貨
著者: 江戸川乱歩
朗読: mamezo
総朗読時間:1時間12分39秒
ジャンル:推理・ミステリ・サスペンス・ホラー,短編小説
江戸川乱歩による短編推理小説
「あの泥坊が羨しい」二人の間にこんな言葉が交される程、其頃は窮迫していた。
場末の貧弱な下駄屋の二階の、ただ一間しかない六畳に、一閑張りの破れ机を二つ並べて、松村武とこの私とが、変な空想ばかり逞しゅうして、ゴロゴロしていた頃のお話である。
もう何もかも行詰って了って、動きの取れなかった二人は、丁度その頃世間を騒がせた大泥坊の、巧みなやり口を羨む様な、さもしい心持になっていた。
※本作品中には、今日からすると不適切な表現が見られますが、作品の時代背景と著者の意図を尊重し、そのままの形で配信いたします。
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目次
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