内容紹介
※本作品中には、今日からすると不適切な表現が見られますが、作品の時代背景と著者の意図を尊重し、そのままの形で配信いたします。
岡本かの子による短編小説
――二十余年前の春
兄は第一高等学校の制帽をかぶっていた。上質の久留米絣の羽織と着物がきちんと揃っていた。妹は紫矢絣の着物に、藤紫の被布を着ていた。
三月の末、雲雀が野の彼処に声を落し、太陽が赫く森の向うに残紅をとどめていた。森の樹々は、まだ短くて稚い芽を、ぱらぱらに立てていた。風がすこし寒くなって来た。
※本作品中には、今日からすると不適切な表現が見られますが、作品の時代背景と著者の意図を尊重し、そのままの形で配信いたします。
――二十余年前の春
兄は第一高等学校の制帽をかぶっていた。上質の久留米絣の羽織と着物がきちんと揃っていた。妹は紫矢絣の着物に、藤紫の被布を着ていた。
三月の末、雲雀が野の彼処に声を落し、太陽が赫く森の向うに残紅をとどめていた。森の樹々は、まだ短くて稚い芽を、ぱらぱらに立てていた。風がすこし寒くなって来た。
※本作品中には、今日からすると不適切な表現が見られますが、作品の時代背景と著者の意図を尊重し、そのままの形で配信いたします。
目次
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兄妹
朗読時間:8分53秒

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著者情報
朗読者情報
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井田愛里紗
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声優。アトミックモンキー所属。
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